DVDの特典映像で思い出したが、香港のメディア・アジアの倉庫には山のように映画のポジ(スライド)があった。私が自費出版した林青霞(ブリジット・リン)の本に写真を載せたくて、その権利を探しているときに行ったのだ。丁度、STAR−TVがほとんどの映画の権利を買ったあと、フォーチュン・スターがそれを引き継いだ頃だった。私の長いリストの中から『ポリス・ストーリー(警察故事)』『蜀山奇傳・天空の剣(蜀山)』『北京オペラブルース(刀馬旦)』『夢中人』なら各3枚だけ特別に使用を承認するので、どの写真を使いたいのか倉庫へ行って探すように、と言われたのだった。
住所を頼りにたどり着いたのが、メディア・アジアの倉庫だった。ポスターやロビーカードが棚にきちんと整理されているのに、映画のポジは、『ポリス・ストーリー』以外、無造作(フォルダーに入っていたりいなかったり、と言う意味)に作品ごとにビニールの袋に入っていて、それらが大きなダンボールにまとめて入っていた。
係りの人は私がどの作品のポジを探しているのかあらかじめ知っていたので、机の上にその袋があった。もっとも、D&Dが製作した『夢中人』はたったの10枚くらいしかなくて、これはロビーカードのオリジナルだろうと思った。『蜀山奇傳・天空の剣(蜀山)』と『北京オペラブルース(刀馬旦)』はオリジナル・ポジとコピー・ポジがごちゃ混ぜで、百枚くらいあった。この中からたったの3枚を選ぶなんて不可能だ、と思った。『天空の剣』はエフェクト加工したポジもあった。圧巻は『ポリス・ストーリー』で、さすが成龍(ジャッキー・チャン)の作品だけあって、巨大なフォルダー(B3サイズくらいある)にぎっしりと本編とビハインド・ザ・シーンのポジが入っていた。千枚は軽くあったと思う。すっかり目移りして各3枚を選ぶのに時間がかかった。個人的にほしいものと本に使いたいものが違うから、さらに迷った。係りのおじさんはそういう私をみかねて、『北京オペラブルース』の無地のロビーカード(タイトルやスタッフ・キャストのクレジットが入っていないもの)をこっそりプレゼントしてくれた。他にも何か貰ったなぁ。結局、苦労して選んで、些少だけれどもお金まで払ったのにそれらの写真は一枚も使わずに本を出版しなければならなくなった。あの倉庫のものは、今でもちゃんと保存されているのだろうか?
『ポリス・ストーリー』のポジ選びは、ずっと昔、日本で『ロボコップ』のメイキング本みたいなものを出版するという人の手伝いをしたときのことを思い出した。版権を持っているこちらのエージェントのところには膨大な数のカラー・ポジがきちんと整理されてあった。その中から、私が30枚くらい選んで日本へ送った。
何が言いたいのかといえば、香港のデジタル・リマスター版DVDの特典映像についているフォト・コレクションは、そのほとんどが映像から抜いたものやせいぜいロビーカードしか使っていないおざなりのものだ。作品によっては上記のように資料はかなりあるのだ。それなのに、オリジナル・ポスターさえ含まない手抜き作業だと言いたい。香港にこれを求めるのは無理な話だろうか。いや、日本版だって、そこまで手間隙かけて資料を集めたものは少ない。FREEMANさん(彼のブログ・アドレスはサイドバーをご参考に)が担当したショウ・ブラザーズの日本版DVDはかなり充実した特典映像がついているそうだが、わたしはまだそれを見たことがない。もし、かれがまだその仕事に関わっているのなら、発売が遅れている『審死官』の日本版DVDに期待をしてもいいのだろうか、ふと思う。
- 2007/02/21(水) 08:19:24|
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