また、台湾の出版社から連絡が入った。会社の弁護士が林青霞(ブリジット・リン)から出版承諾のサインかそれに近いものをとった方が良い、というアドバイスを受けたそうだ。そういうことは、私と契約を結ぶ前に考えるべきではなかろうか、と思う。
何でも、ICON COPYRIGHTとかいうものがあって、ある有名人が台湾のファッション雑誌が載せた写真について訴訟を起こしたのだとか。それで、この出版社もブリジットの本を出すなら本人に許可をもらったほうが良いだろうということらしい。
私としてはできるだけ法に触れないように注意して書いた本だ。本の98,99ページにあるように、ブリジットからちゃんと本を出す許可を口頭でもらっているし、彼女のほうが「私の本は日本へアメリカで出版するよりもアジアで先に出したほうが良いのではないか」と言っているくらいだ。といもかく、私は出版の前に原稿を見せてほしいという約束も果たして、彼女の望みどおりに書き換えもして出版したのだ。そのときの会話、というかインタビューはすべてテープにとってあるし、ブリジットに限らず、相手が言わなかったことは何一つ書いていない。
ブリジット以外の人たちの部分も、住所がわかる人には原稿を送って直しがあるかどうか聞いている。返事がなければ、許可したものとみなしてきた。
出版社との契約書には「出版社は原文に忠実に翻訳し、著者の許可なく削除したり加えたりしない」ということと「出版前に翻訳原稿を著者にみせて許可を取る」という項目を入れた。この二つがちゃんと守られれば問題はないはずだ。前者だけでも守ってくれていれば…。
出版社ならびに編集者が翻訳版についての契約書をどこまで真剣に考えているのかわからないが、今のところ、著者の権利のことはあまり頭にないようだ。私も容認している、というか、ちゃんとした翻訳本が出てほしいだけだから、静観しているだけといったほうがいい。
(このあたりのメンタリティに関しては、正直に言ってちょっとわからない。読者にアピールするためにちょっとくらい変えてもいいじゃないか、変えたほうが売れるから、とか、よりわかりやすいように変えただけ、などと当たり前のように考えているかもしれない。)
せっかくここまでこぎつけたのに、きちんとした翻訳本が出なかったら落ち込むだろうなぁ。デタラメの翻訳本が出る方がもっと落ち込むだろうか?なんか、全然わからなくなってきた。
考えても仕方がないから、ボチボチ、パッキングでもしよう。
- 2007/07/11(水) 13:00:47|
- 日常
-
-
| コメント:2
アイコン・コピーライトって、正しい英訳なのか解からないですが、
ICON=肖像 COPYRIGHT=権利 ということで、肖像権のことを言いたいのでしょう。香港は肖像権がありませんが、台湾と大陸中国は肖像権が認められていたはずです。
>本を出す許可を口頭でもらっているし
林青霞が、肖像権を主張して、この本に関して裁判を起こすとは思えませんが、万が一、肖像権を主張されたら、口頭での許可というのは、肖像使用の許可を得た正式な証拠にはなりえないのではないかな。普通はドキュメント(サインなり捺印なりあるもの)を取り交わすのではないでしょうか?テープは証拠能力が低かったような…
出版社はATさんと林青霞との会話や約束の過程に何の保証もないわけだし(極端にいえば、ATさんが口頭で許可を得たのもうそかもしれない)、正式に出版する場合、出版社側がその辺をクリアにしたいというのはわかる気がします。
でも逆に、そういうことを気にしているぐらいだから、コピーライトには有る程度の理解はあるように思います。
本当にちゃんと出版されるといいですね。
- URL |
- 2007/07/12(木) 00:48:53 |
- いく #CpoERMok
- [ 編集]
いくさん、コメントの返事をするのを忘れていました。
>林青霞が、肖像権を主張して、この本に関して裁判を起こすとは思えませんが、万が一、肖像権を主張されたら、口頭での許可というのは、肖像使用の許可を得た正式な証拠にはなりえないのではないかな。普通はドキュメント(サインなり捺印なりあるもの)を取り交わすのではないでしょうか?テープは証拠能力が低かったような…
私はライターを長年していますが、法律のことは専門ではありません。ただし、一応、私が知っている出版の世界では、相手がインタビューに応じた時点で、それが出版されるということを承認したことになります。一般的に言って、相手の承諾サインは貰いません。そこに、ギャラが発生した場合は別ですが。もし、裁判となれば、テープは証拠になりえます。
問題があるとすれば、その内容です。これは、私の原稿を林青霞が出版前にチェックしているので、台湾の出版社が忠実に訳していれば問題はないと思います。
肖像権というのは、普通は有名人の名前や写真を許可なく営利目的に使われたときに発生するものだと思います。アメリカでは本人にインタビューをしていない本を「アンオフィシャル・バイオグラフィ」というようにうたって堂々と出版していますから、私の本は肖像権を犯しているとは考えられません。
林青霞は本の中で、「訴訟はしない。そういうことをすると、余計に宣伝になってしまうから」と言っています。
私としては出来うる限り彼女の人権を尊重して書いた本です。だから、ちゃんとした本が出版されるように願っています。
- URL |
- 2007/08/05(日) 09:19:05 |
- fanfunfuan #-
- [ 編集]