ムゲン・スペース・メモランダム

一度ファンになると、一生付き合っていくのが私のファン流儀。言い換えれば、そういう人しかファンにならない。私の世界はムゲン・スペース。夢中になれるって、しあわせ。

新潮45 10月号

 「新潮45」10号に<香港芸能人の「真っ黒びっくり」報道集>という見出しが載っている。これはせんきちさんのブログで知ったのだが、先日香港へ行ったときに日本からのお土産として手に入った。それを最近になってようやく読んだ。

 その問題の記事には、日本のメディアにはあまり知られていないと思うアニタ(梅艶芳)の名前が堂々と出ている。しかも、「かつて近藤真彦とのロマンスで知られる」と形容さえされている。日本のマッチ・ファンですら彼らのロマンスは知られていないというのに。ということは、こういう記事を書くことから判断してもライターは一応の香港通なのだろう。香港では彼らのロマンスは公然の秘密でもなんでもなく、普通に知られているのだから。ただし、92年の5月に起こったアニタのカラオケ事件に関しての記述は、当時の報道とは異なる。概要はまぁあっているが、詳細は違うし、実は明らかになっていないことが多い。だから、記事のように断定はできないはずだ。私に言えることは、あの事件はアニタにとって不運な出来事だった
ということだ。
 アニタ以外の記述については真剣に調べたことがないので、はっきりしたことはいえないが、これも記事のように断定的に書けるほど詳しく報道されたことはないと思う。さらに、熱狂的なファンの項で、アンディ・ラウ(劉徳華)の誕生日が3月であるかのように書いてあるが、彼は9月生まれだ。記事は「極道と熱狂的なファンと、香港でスターをやるのも骨が折れる。」で、締めくくられているが、そんなこと、どこの国のスターでも背負わされていることではないか。「新潮45」の記事はゴシップ記事と大差ない。

 私は、アニタは黒社会の一員だ、と言われたことがある。(だから、)あまり関わらない方がいいのでは?というご親切な忠告を受けたこともある。誤解を恐れずに私の考えを言えば、黒社会やヤクザと無関係な、全く接触のないスターなんていないと思う。アニタの場合は特に、プロ歌手デビュー前はナイトクラブや歌廳で歌っていたし、母親が歌廳を経営していたこともあるのだから黒社会とは無縁ではいられなかったはずだ。顔見知りや名前まで知っている黒社会の人間がいたとしても不思議ではない。面と向かえば、日常の挨拶くらいはかわしただろう。が、だからといって、彼女が黒社会の一員だった、とはいえない。
 むしろ、アニタは極力黒社会と関わることを避けていた、と思う。それは、デビュー前の体験からも理不尽な扱いを嫌うアニタが見え隠れするからだ。彼女がもし職業を選ぶことができるなら、という質問に、必ず、警官や弁護士のような(正義を司る)職業、と答えていることからも伺える。それに、華星唱片を契約切れで去って、黒社会関係のレコード会社へ行かずに自分のレコード会社を作ったのも、アニタのそういう意志のあらわれだろう。

 だが、どんなに関わりあいになりたくなくても、避けて通れないことがある。例えば、日本では映画のロケーションなどのときは、必ず、その土地のその筋のところへ挨拶に行く。そうすれば、ロケの邪魔をされたときは面倒を見てくれるからだ。あるいは、飲食店は大なり小なりの「プロテクション料」をその土地のその筋に払っているのが実情だ。何か揉め事が起こったときに、彼らに一報すれば丸く治めてくれるわけだ。こういうことは、誰も公言はしないが現実にあることだ。地方の興行なども昔はヤクザの縄張りだったから、招聘元が元ヤクザ、ヤクザの親戚、現ヤクザということが良くある。香港でも同様ではなかろうか。
 80年の後半から90年代の初めの香港は空前の映画産業ブームで、黒社会が映画会社を作って関わったのは事実だ。その頃は、ヒット作の二番煎じや粗製濫造の作品を作ったりした。現在でも、元黒社会、黒社会の親戚が映画製作やレコード会社を経営している。ちゃんと世間的な会社の形態をしている。そのような会社の映画に出演したり、CDを出したりすることが黒社会との関わり、というのなら、関わりのないスターなんていない。
  1. 2007/11/09(金) 08:44:43|
  2. 梅艶芳
  3. | コメント:3
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コメント

>ちゃんと世間的な会社の形態をしている。

そうですよね。映画・音楽関係は、本当にそうですよね。そして、芸能関係だけでなく、香港の社会は、いろんなところで黒関係はありますし。

アニタの事件のトラブルのもとといわれている、「14K」に絡んで、ちょっと思い出したこと… つい最近、GOD(住好O地)の「拾肆K」Tシャツが没収されました。

香港は、黒社会はそれだけで、非合法だし、自分で「自分は黒社会のメンバーだ」ということも認められていません。それで、このTシャツも違法となりました…なんか警察暇なんだろうか。「Delay No More」と同じレベルの遊びなんだから、だれも、このTシャツ着てるからって、黒社会の一員だなんて思わないのに…

香港警察もこんなことやる前に、香港音楽界や映画界と黒社会の関係が薄くなるようがんばってほしいもんです(まあ、無理なんでしょうが)。 
  1. URL |
  2. 2007/11/10(土) 00:00:44 |
  3. いく #CpoERMok
  4. [ 編集]

いくさん、黒社会とかヤクザとかマフィアってどこにでもはびこっているんだと思います。

Tシャツのメッセージって、本来は遊び感覚のものではなかったはずです。最近はかわってきましたが、「あぶない」ものもあるのではないでしょうか?それを見た人が「あそび」や「ジョーク」と受け取らないかもしれないし。日本でもやたら英語のフレーズや文章をプリントしてカッコイイなんて思っていた時期があり、「あぶない」メッセージのもをその意味も知らずに着ている人が結構いました。

台湾も黒社会が映画産業でハバをきかせていた時期があり、ブリジット・リン(林青霞)はそれが嫌で香港へ移った、と言いました。ウォン・ジン(王晶)にインタビューに行ったら、その会社には一見してヤーサンがゴロゴロいました。彼らは古惑仔のコンサルタントだったかも??? また、アメリカ人の教授がTというカンフー映画などでスターになった人にインタビューしに行ったら、その場にいたチンピラたちがいっせいに立ち上がって「大哥」と挨拶して、彼はそのあたりでは「顔」なんだ、ということを隠しもしなかった、と言いました。 Tが黒社会と関係があるかどうかわかりませんが、アクション映画でスターになった人には、往々にしてこういう待遇があるのかもしれません。



  1. URL |
  2. 2007/11/10(土) 05:42:29 |
  3. fanfunfuan #-
  4. [ 編集]

あっ、別に「大哥」と呼ばれると黒社会に関係があるという意味では在りませんので、念のため。↑
  1. URL |
  2. 2007/11/10(土) 08:01:59 |
  3. fanfunfuan #-
  4. [ 編集]

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Author:fanfunfuan
 かつては、「スクリーン」や「ロードショー」などにハリウッド映画の記事を書いていたライター。あるときは[AT],あるときは[ブリジット・ファン]、あるときは[アニタ・ムイ・ファン]と、・・・つい、その場の思いつきでHNが増えてしまったが、これからはfanfunfuan。仁侠映画、林青霞、ジュリー・アンドリュース、山口百恵さんたちは私の「ファン殿堂入り」した人たち。現在は、亡き梅艶芳(アニタ・ムイ)さんに夢中。因みに、写真はアニタです。
管理人へのメールは私のHPこちらから。

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