ロサンゼルスは冬でも暖かいと思うだろうが、寒くなると最低気温が零下になることがある。近くの標高の高い山には雪が降るし、10年に一度くらいは郊外に雪もが降る。大体2,3 時間くらいのドライブをすればスキーも出来るのだ(半分くらいは人口雪らしいけど)。
ここ何日か寒さが続いて、一酸化炭素中毒で家族が亡くなるという事故が相次いでいる。それと、クリスマス・ツリーを飾った灯りとかの漏電が原因で火事になる家が結構ある。あのクリスマス・ツリーは本当の木なので毎日十分な水を上げないとカラカラに乾燥してしまうのだ。折角買ってきたプレゼくるとこういうニュースが続いてしまう。
1985年の続き。
「壊女孩」はアニタをスターにしたが、その<バッド・ガール>のイメージに彼女は悩まされることになる。メディアや香港の人々は彼女をバッド・ガールとして見るようになったのだ。まず、アニタは自分の二の腕が細くて杖のようだったので、真夏でも半袖を着たことがなかった。それで、刺青をしているからそれを隠しているのではないかという噂さが立った。痩せているのはドラッグを常用しているからだ、とか、堕胎したことがある、とか、デビュー前はダンシング・ホールで働いていた(これは売春を意味する)、すでに三歳になる子どもまでいる、とかという噂さがまとこしやかに流れ出した。このような中傷や誹謗は当然ながら彼女を傷つけた。
この頃のアニタは忙しくて寝る暇もなかった。その上、時間があれば仲間と朝まで飲んだりディスコに通うと言う生活でもあった。彼女は暗いところが怖くて、一人で家に帰るのが耐えられず、そういう生活をしていたのだった。暗闇が怖い、というのはアニタの子ども時代からのトラウマでもあった。そのような生活を知っているメディアはアニタのことを悪く書いても、あまり罪悪感がなかったかもしれない。
人間の心理は複雑怪奇だ。アニタがデビューした頃は香港庶民の中から生まれたヒロインのような近親感があったが、アニタがどんどん人気者になると、今度はひがみやねたみのような感情が生まれる。まともなことをしていたのではこれほどの人気者にならないのではないか。きっと裏で取引をするようなことをしているに違いない。小さな頃からクラブやレストランで歌っていたと言うから、男女関係もハデで、堕落した生活をしていたのだろうから、堕胎の経験があっても不思議はない。ドラッグなんかにも手をそめていたのではないか。あんなに痩せているのはそのせいだ。こんな感じで、芸人に対する偏見や先入観も手伝って、噂さはどんどんエスカレートした。メディアも面白がって想像に満ちたことを書いたのだと思う。真実ではないと知っていても、そういうことを書けば新聞や雑誌が売れるからだ。香港の記者の間では、「一を知って十を知る」というような短絡的な思考がまかり通るらしく、しかも一と十の間は想像と創造で辻褄を合せてしまうことが多々ある。
- 2006/12/21(木) 08:43:20|
- 梅艶芳
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